理想の文化祭
「最高の文化祭にしたい」…この文化祭に参加する誰もがそのように願っているだろう。では、何をもって文化祭が最高のものになったと判断できるのだろう。準備・進行がうまくいった、朝早くからたくさんの客が来てくれた、などそれぞれの活動が全てうまくいけば「成功した」と言うことができると判断する人は多いと思うが、僕はそれだけでは不十分だと思う。やはりこの文化祭当日、あるいはそれまでの準備期間においてどれだけ大きなものを参加者が手に入れることができたかに、成功はかかっているのではないだろうか。
それでは、僕達は文化祭をすることで何を得るのか。一言で表すことはできないが、まず文化祭は実行委員だけに限らず、文化祭に参加する全ての人に活躍の「場」を与えてくれる。例えば、日頃の学校生活では創作発表の場は少ないので、展示に参加してこの文化祭を一つの自己表現の機会にする人もいるだろう。そして、その過程で様々なことに触れ、視野を広げることもある。また、学校外部との交流やバザーなどで多くの人と接する機会が増え、そこで新たな友達を作ることだってできる。
このように、文化祭を創ることによって何かかけがえのないものを手にし、そしてそれを祭の後の人生に活かしていくことに、この文化祭の最大の意義があると僕は思う。決して、無意味に毎年やってきたわけではないのである。全員が早くこの男く祭に意義を見出し、参加してその創作過程を楽しんで欲しい。
それでは、この意義を全うするために実際に僕はどのような男く祭を創りたいのか。
僕はこの男く祭で校内・校外問わずどれだけ多くの人を巻き込んでいくかに挑戦したい。校内に関しては、祭報などを通じて情報公開を進め、それぞれに思い入れを持たせるきっかけを作り、また校外に関しては、PR活動をよりいっそう活発にしてより多くの来客と附設生が楽しさを共有できるような環境の土台作りに努めようと思っている。
もちろんこういった宣伝活動の他に、男く祭そのものの充実も図らねばならない。そのためにはまず、先に述べたようにそれぞれの持っている力を活かしていこうと思う。附設は個性的な生徒を多く抱えてはいるが、結局は進学校であるために個人の特性を発揮する機会はあまりない。だから、個人が充実して活躍できるような「場」を文化祭で提供したい。
そして「場」を手に入れた後は、自分から率先して楽しんでやって欲しい。一人一人が自分のモチベーションを高めていけば、参加する人の輪も次第に広がっていくだろう。確かに、文化祭当日までの道のりは険しい。仲間同士でいがみ合ったり、自分がやってきたことが全て無駄に思えたりする日だってあるだろう。しかし、それを乗り越えてつかんだ楽しさ、あるいは喜びは本当に価値あるものだ。そして、それを最後に全員が感じ取ることができれば素晴らしいと思う。
これは以前から言われてきたことだが、この約30年間男く祭を支えてきたのはやはり先輩方の思い入れ、情熱だった。まずは一人一人がこの文化祭で自分がやりたいことを見つけ、それに全力投球して欲しい。そうすればそれだけの分が返ってくるはずだ。
そして最終的に全員が何らかの形で文化祭に関わり、思い入れを持つことのできる「全員参加」の男く祭を創りたい。